「Dデー」80周年  団結力を強める=西側諸国

(VOVWORLD) - 先週、第2次世界大戦中のノルマンディー上陸作戦(Dデー)から80年の節目を記念する式典が、フランス北西部で開催されました。欧米首脳やイギリスのチャールズ3世、ドイツのオラフ・ショルツ首相、カナダのジャスティン・トルドー首相などが出席しました。

米国のバイデン大統領はノルマンディー米軍英霊墓地で開催された合同式典で、自由と民主主義の擁護を強く訴えた上で、西側諸国に対し、ウクライナへの支援を続けるよう求めました。合同式典にはフランスのマクロン大統領や米退役軍人も参加しました。

バイデン氏はウクライナへの支援を緩めることはないと確約しました。民主主義が第2次世界大戦終結以来、最も大きな脅威にさらされているとして、西側諸国および北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対し、Dデーの精神を取り戻し、協力するよう求めました。

この機に、フランスのマクロン大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談してウクライナの長期的な安全を確保するための協定を締結し、防空能力の強化などに向けて、ことし中に最大で30億ユーロの追加の軍事支援を行うと発表しました。

また、フランス政府はロシア軍のミサイルや無人航空機(ドローン)による攻撃で甚大な被害が出ているウクライナのインフラ設備の再建も支援しました。ウクライナに重要インフラ施設を輸出したり、インフラ建設などに投資したりする仏企業を対象に、約2億ユーロ(約340億円)の基金を設置しました。エネルギー、運輸、保健衛生、地雷除去などの分野を想定し、特にエネルギー分野には6000万ユーロ分を優先的に割り当てました。エネルギーや運輸の分野で仏政府機関のウクライナでの支援活動などを拡充するため、4億5000万ユーロを拠出しました。マクロン氏はまた、ウクライナの欧州連合(EU)加盟に向け、月内にも加盟国間での交渉を開始できるよう支援する意向を明らかにしました。このほか、フランスとウクライナは原子力の平和利用や軍需産業分野での協力を強化することでも一致しました。

他方、アメリカのバイデン大統領はこのほど、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談し、軍事支援のための予算成立に時間がかかったことを謝罪し、追加で2億2500万ドルの軍事支援を行うと発表しました。 バイデン大統領は、「資金援助について何週間も、何が起こっているかわからなかったことをお詫びする」と語りました。その上で、2億2500万ドル=およそ350億円の新たな軍事支援を行い、防空迎撃ミサイルや高機動ロケット砲システム「ハイマース」の弾薬を提供すると発表しました。

ノルマンディー上陸作戦から80年を迎えた式典に出席した後、バイデン大統領は5日、パリに到着し、国賓待遇でマクロン大統領と会談を行いました。バイデン氏の欧州訪問はこれまでよりも注目を集めたとしています。

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